SHIMODA ITSURO 下田逸郎 / Love Songs And Lamentations 飛べない鳥、飛ばない鳥
<70年代フォーク>の範疇を軽く超えて光るSSW名盤。
猪俣猛(dr)、寺川正興(b)、安田裕美(g)、斎藤伸雄(per)をバックに従えて制作されたセカンド・アルバム。バッキングの磐石ぶりも相まって、珠玉のフォーキー・グルーヴに仕上がった「All This Time」「Moving On」が出色の出来。
他、まるで WILLIS ALAN RAMSEY / Muskrat Candlelight のようにアーシーに始まるタイトル曲、胎内回帰/自己回帰(≒田舎回帰)といった当時のフォーク定番ともいえるテーマが、衒いのない歌唱により緩やかに厚みを帯びて迫る「帰ろう」など、収録。
名義こそ個人扱いになってはいるものの、作詞とヴォーカル・アレンジは<崇天麻詩>こと MARCI SUTIN との共作で、歌唱はミュージカル『ヘアー』へ出演していたシンガー VICKI SUE ROBINSON、若手実力派ゴスペル・シンガー ALEXANDER EASLEY との共演。
1970年、東京キッド・ブラザーズのNYオフ・ブロードウェイ公演へ編曲家・音楽監督として帯同していた際に出会ったという彼らとの、ナチュラルで非常に密度の濃いコラボレーションを収めた本作は、日=米間の若者達に開花した、仕事やファッションとしてではないリアルなヒッピー感覚を記録している点でも貴重です。
また、A面は日本語、B面は英語で歌唱する構成をとっており、どの曲をとっても、この<グループ>の真摯な姿勢に胡散臭さが感じられないところが本作をさらに稀有な存在にしています。
*見開きダブル・ジャケット。ブックレット付属。
All This Time
Moving On
飛べない鳥と飛ばない鳥
帰ろう
- LABEL: Polydor(日本グラモフォン)
- FORMAT: LP
- 発売年: 1973
- 発売国: Japan
- コンディション DISC: EX+ / JKT: VG+
- 特記事項: STEREO / JKT: 底部、中心から背側に亘り約13cmの割れ有
コンディション表記について